友達以上 彼女未満④    to plumeriaサマ





あの件以来、私と西門さんは会っていない。
たまたまお互いが忙しかったという事もあるのだけど、
会うのが怖くて気まずいというのが本当のところ。

無視されたらどうしよう。
嫌われていたらどうしよう。

それでいてアパートで起こった事に向き合う覚悟もない。
こんな気持ちになったからか、元気のない私を心配してくれた桜子が
ランチを誘ってくれた。
せっかく誘ってもらったに食欲がないし、なんか怠くってやる気も出ない。
ひたすら溜息ばかりでていた。
はぁ・・・、なんかなぁぁ・・・。

「・・・で?先輩の溜息は、何の溜息なんですか?」
「べつに~。 なんにもないよ。・・・ハア・・・。」
桜子はそんな私をじっと見たと思うと、わざと大きな声で話し始めた。
「西門さんの彼女になったというのに自分に自信が無くって、
西門さんの気持ちがわからないと言いながら夢でイチャイチャしたのを隠そうとしたら、
本当に西門さんから迫られパニックになって、
漸く発した言葉が西門さんを傷つけてしまったと後悔しまくりな溜息とやらが、
3分に1回の割合で出てしまうからですか?」
一気に喋って意味深に笑った。
相変わらず触れられたくない事をハッキリ言うわ、このお嬢様は。
しかも長いわよ台詞が!
「シー!シー!シー!声でかいわよ!
迫られたんじゃないわよ、夢は夢であれは事故なの!事故!」
「あら、先輩のほうが大きな声でお話しされてますわよ。」
周りにはバッチリ聞こえていたようで、こちらの様子を伺っている人もいた。
「・・・ごめん。」
桜子はふうっと息を吐くと、私の顔を正面から見据えて話し始めた。

「質問させて頂きますけれど、西門さんから彼女になってくれって言われた時、
先輩はなんで断ることをなさらなかったとお思いですか?」
「えっ?・・・・なんでって。その、なんか誘導されたと言うか、
引くに引けなくてオッケーしちゃったと言うか・・・。」
「そうですか。じゃあ、質問を変えますわ。
彼女になってと花沢さんから言われたら?」
「類に?断る。・・・って言うか、ずっと毎日念仏のように言われているせいか、
本気だとは到底思えない。」
「まあ。じゃあ、美作さんから言われたら?」
「美作さんは私を困らすような事は絶対に言わない人だから、それはあり得ないよ。
う~ん、やっぱり言わないと思うな。」

桜子は飲んでいたコーヒーをソーサーに戻すと、私を見ながらクスリと笑った。
「・・・な、なによ?」
「ふふふ・・・。わかりませんこと?はっきりと、
ご自身でおっしゃっているじゃないですか。」
「何をよ?」
「いいですか?。花沢さんは断る、美作さんはありえない。
でも、西門さんは受け入れた。」
「受け入れたって・・・。」
「違いますか?他の二人は最初から先輩の中で排除されていますのに、
西門さんの時は文句いいながらも西門さんの申し出をご了承された。
これのどこが受け入れていないと言えますか?」

西門さんを受け入れている・・・?
どういうこと?

「それって・・・どういう・・こと?」
「それはご自身が考えることですわ。じゃ、お先に。」
桜子は席を立つと細い腰ときゅんとしたお尻を魅惑的に揺らしながら、
男子学生の視線を釘付けにして帰っていった。




『はっきりとご自身でおっしゃっているじゃないですか。』
『他の二人は最初から排除されているのに、西門さんは受け入れた。』
桜子の台詞がくるくるとリフレインしている。
あと少しで解けそうなクイズの答えみたいに、
必死になって探しているのに見つけられない。

モヤモヤしながら図書館に向かって歩いていると、
西門さんとミス英徳学園が建物の影で、二人が向き合っているのを偶然見かけてしまった。
どうやら西門さんがミス英徳から、告白されているみたいだった。

いつもの私ならこういう場面に遭遇した場合、100%必ずスルーする。
こんな事は高校でも大学でもよく見た場面で、西門さんの場合は日常茶飯事だったから。
なのに、今日の私はまっすぐと、二人がいる方向へと足が向かっている。
近寄ってきた私を見た西門さんは、そんな私の行動に目がテン状態。
そりゃ、そうでしょ!
自分だってびっくりしているもの!
対照的に、ミス英徳は鋭い視線で私を威嚇してから
勝ち誇ったような顔を向けた。

「あ~ら、牧野さん。
なんでここにいらっしゃるのかしら?
もう少しで、西門さんから良いお返事頂戴できそうなのよ。
あなたは用無しお払い箱なのよ、早く消えておしまいなさい!」

その時、何が私の中から何かが弾け出た。
ぱっとミス英徳の目の前に立ちはだかると、大きく手を広げていた。
「残念だけど、お払い箱はアンタよ!
西門総二郎の彼女はこの牧野つくしよ!これからもずっとず~っとね!
とっとと失せな!!」
「なっ!なんですって!?」
ミス英徳が怒りによって真っ赤になったと同時に、
それまで黙っていた西門さんがぐいっと私の肩を抱寄せた。
「・・・ってことなんだけど?じゃ、俺達は帰るんで!」
そう言い終わると、鳩に豆鉄砲をくらったミス英徳を放置したまま、
西門さんは私を引っ張って愛車に押し込んで発車してしまった。




Pas de Quatre』のplumeriaサマにお話しを贈りました

Pas de Quatre


***

ランキングに参加しました♪


↑↓もしよろしければポチしてください♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
関連記事
スポンサーサイト

Comment 0

What's new?