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友達以上彼女未満 総二郎side②



俺が大学2年の春、牧野と司は別れた。

別れた理由を牧野は俺たちに報告するつもりはないらしく、ソウルメイトと言ってなんでも喋っていた類にでさえ、本当の理由を話す事はなかったらしい。あきらと類はN.Y.で起きたことを調査し、道明寺グループの現状を知った。

その内容は予想できたことばかり。
司がN.Y.に渡った直後、道明寺グループのある事業部内に内紛が起きた。用意周到なその裏切りは、道明寺グループからの独立。しかも頼りにしていたアメリカの投資会社がその内紛を起こした裏切り者達を支援。司たちは解任に追い込むように仕掛けるなど、かなり組織的なものだった。司達は必死に反撃して、立て直しをし、なんとか道明寺グループを守りきった。だが、司と牧野はその後に別れている。

涙を流さず、俺達にも頼らず、日常に戻っていくという選択肢を牧野は選んだ。ならば、その覚悟を真摯に受け止めてやらなきゃいけないだろう。だが、幼馴染二人はああそうですかと大人しくするわけがない。類は牧野に寄り添うだろうし、あきらは牧野を甘えさせるだろう。

あの二人は牧野の事を女として好きだし、二人がどう出るかは、各々が決める事だ。
俺がとやかく言う筋合いは無い。
そもそも牧野はダチの彼女、茶道の師匠と弟子の関係でしかないし、それ以上に深く関わることはなかった。

だけどそれが本当に俺の本心なのか?
俺は、それでいいのか?
ならば、俺はどうする?
俺は俺をどうしたい?

心の奥底が軋み、ミシミシと音を立てて騒ぎ、今にも溢れだしかねない。
自分を律する事に長けているはずが、牧野の事に関してだけ騒つくなんて。

この時、俺が選んだのは茶の稽古はそれまで通りにやる。
牧野がいつか話したくなるまで、その話は触れないでおく。
ただ、それだけだった。







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