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友達以上彼女未満 総二郎side⑨



なんとなく牧野に会わないようにしていたということもあるが、会おうとしないと会えないものなんだと改めて感じる。

縁談まであと少しで1ヶ月となるタイミングから、渋沢真璃愛が婚約者面をするようになりはじめた。俺の行く先行く先にストーカーのように付き纏い、どこにいくにも俺の腕を取ろうとする。
今日も付き纏われたので図書館に逃げ込んだが、勉強などしないクセに図書館内に乗り込んできては俺を探しだし、大声で俺と話掛けてくるなど嫌がらせも甚だしい。
マナーもわきまえないお嬢様って、どんだけクソなんだ。

図書館を出ると渋沢真璃愛も出てきて、俺を追いかけてきた。しつこいどことじゃない。もう堪忍袋の限界が近づいていた。
「総二郎様、お待ちになってください。」
「なんどもいいますが、私にはあなたに用はありません。しつこいですよ。」
「そんなことをおっしゃいますけど、お約束まで、あと1ヶ月ですわよね。」
「・・・だからなんだ?」
「ふふふ・・・。なんで半年も待たされたのか、私、存じ上げてますのよ。
・・・牧野さんと喧嘩別れされているそうじゃありませんか?
財力もお立場もない方との恋模様は、火遊びとなりやすいものです。
あと少しで私と総二郎さんはめでたく婚約者となりますし、
私、これでも寛容なほうですのよ。」

ごちゃごちゃと煩いことを言っている。
どうでもいい女に俺と牧野のことをとやかく入れれる筋合いねぇ。

我慢の限界が近づき、一言いってやろうと思った矢先、遠い先から視線を感じた。
・・・ん?
・・・牧野??
牧野は俺と渋沢真璃愛を見つけると、一瞬立ち止まった。踵を返すという言葉通り、くるっと急に方向転換したかと思うと、大きな目をこれでもかと見開きながら、ものすごい速足で俺と渋沢真璃愛の前まで向かって歩いてきた。

「あ~ら、牧野さん。
なんでここにいらっしゃるのかしら?
もう少しで、西門さんから良いお返事頂戴できそうなのよ。
あなたは用無しお払い箱なのよ、早く消えておしまいなさい!」
渋沢真璃愛が厭味ったらしい甲高い声をだすと、牧野がぱっと大きく手を広げた。
「残念だけど、お払い箱はアンタよ!
西門総二郎の彼女はこの牧野つくしよ!これからもずっとず~っとね!
とっとと失せな!!」
「なっ!なんですって!?」

・・・くくっ。流石は牧野。
あの牧野が俺の彼女だと啖呵を切るなんて!
やっぱ、コイツはすげぇ。
ごちゃごちゃと悩んでいたのをふっとばしてくれる女。
俺が唯一欲しいと思う女なんだ!

「・・・ってことなんだけど?じゃ、俺達は帰るんで!」
そう言い終わると、鳩に豆鉄砲をくらった間抜け面の渋沢真璃愛を放って、逃げ出す前に牧野の腕を掴んで俺の車に向かった。






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