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サプライズKiss
気がついたときにはいつの間にか
好きになっていた。
黒くて艶やかな髪。
誰よりも透き通った白い肌。
大きく清純な瞳。

でも、俺が自覚したときはすでに
ガキの頃から大事な幼馴染のオンナだった。
俺って結構ばかだったんだな。
ダチのオンナに横恋慕なんてかっこわりィ。

だったら、とことん嫌われてみようかと
アイツの前で遊び人気取ってみたり
手当たりしだいその辺にいた女を引っ掛けて見せてみた。

不潔!
エロ門!
触るな妊娠する!

アイツの俺に対する評価は「女の敵」。
いつか女に刺されて死ぬらしい運命らしい。
俺に対してだけツッケンドン。
司や類、あきらに見せる笑顔と異なる笑顔。

ズキン。
ちげえよ。
そんなんじゃねぇ。
なんかつれぇえ。
俺にもその向日葵のような笑顔を見せてくれよ。
甘えるような声で名前を呼んでくれよ。
そう、俺がこんなことを思っているなんて
アイツは微塵にも思ってないだろう。


夕陽が落ちた頃。
大学に進学してからも、牧野が時々訪れていた非常階段に足を運んだ。
なんとなく今日、アイツにあえる気がして座ってみた。
高校のころはなんとも思わなかったこの光景。
今は懐かしくて仕方ない。
季節柄、吹く風はちょっと寒いけれど
日が暮れる時間帯に来てみると案外風情もあっていいもんだ。
物思いなんて柄じゃねぇのはわかってる。
でも、今日ぐらいは・・・いいじゃねえか。

「え・・・あれ?西門さん?!」
まさかのまさか。
本当にアイツが来ちまった。
「めっずらし~!どうしたのこんなことろで。なんかあったの?」
大きな瞳をさらに大きく見開いて
俺の顔を覗き込むこのオンナ。
なんだよ。ちょっとは俺を意識しろよ。
「・・・別に。何もねぇよ。」
「え~?何もなくて西門さんがここにいるとは思えないよ。
・・・なに?もしかして百戦錬磨の西門さんが、
まさかふられちゃったりして?」
この女・・・。
すっかり俺が振られたと思い込んで、ニヤニヤしてやがる。
は~~~。
会ったら会ったらでやっかいなもんなんだな。
俺がここで一人でいた=オンナに振られたってなっちまうんだもんな。
誰が原因だと思っているんだよ。
「・・・で?誰に振られたのよ。
ほら、つくしちゃんの胸を貸してあげるわよ~?」

・・・なんだよ、俺なんか相手じゃあねぇってことかよ?

急に困らせたくなって。
誤解をこれ以上されたなくって。
コイツに男として意識してほしくなって。
きゅっとこのオンナを抱きしめた。

「ぎゃっ!!離してよっ!」
「なあ・・・。教えてくれよ。」
「離せ、エロ門が~!・・・って、んっ?今、何て言った?」
「だからさ。もし・・・。
もし、欲しくて、憧れて、恋焦がれたとしても、
どうしても手には入らないものがあったとしたら・・・・。
それは大事な宝物のひとつで、
その輝き奪う覚悟なんてサラッサラねぇ。
でもさ。
神様に願っちまうくらい苦しいんだ・・・。
牧野。教えてくれ。
お前なら、・・・どうする?」

すうっと息を呑む音が聞こえる。
黙りこくったその沈黙がコイツの答えだ。
誰だってそうなるよな。
はぁ・・・。
やっぱ俺のキャラじゃねぇ、こんなのは。
いつも通りにちゃらけてやるよ。
「・・・な~んてちゃってな。なあ。せっかく抱き合ったわけだし?
もっとあったかくなるようなことしちゃおっか?」
ほ~ら、怒れよ。
心配して損したっていって、立ち去っていけよ。
なのにこいつは動かない。
あ、そういうことか。
こいつは鉄パン履いている男慣れしない女。
カチンコチンに固まってしまっているにちがいねぇ。
仕方ねぇと腕ほどこうとすると、逆にぐいっと力一杯キツく抱きしめられた。

「ぐは!いってぇ!なんだよ、馬鹿力だすなよ。」
「ねぇ西門さん・・・。あたしなら、まっすぐ行くよ?
どんなにかなわなくても、どんなに相手にされなくても
あたしは馬鹿正直に、行くことしかできないからさ。」
知ってるよ。
お前のそのひたむきさを。
恋い焦がれるほど凛とした姿を。
「・・・でもさ、驚きだよ。西門さんってさ、他人のことは敏感なのに
自分のことは鈍感だよね?」
「・・・んだよ、何が言いてぇんだよ。ほら、怒ってるなら離せ・・・。」

牧野の大きな瞳が目の前に来たかと思ったら
柔らかくてあったかい唇が俺の唇に重なった。
一瞬だけのキス。
「ふふふ!どうだ~!参ったでしょう?!」
人生で初めての不意打ち。
そんなセリフも聞こえねぇぐらいに、俺の思考回路はショートしている。
「・・・ん?どうしたの、あれ、西門さん固まってる???」
とまってしまった時間が動き出したように、俺もはっと意識を戻す。
「・・・・・・・牧野、お前、俺に・・・キスした?」
にっこりと満面の笑みで、俺に微笑む。
・・・ってうか、天然記念物級の奥手のオンナが?
今のは俺の幻覚か、白昼夢か?
「そうだよ。もう一度しとく?」
「まてまてまてまて待て!」
くすくすだめだよって笑いながら、
牧野は俺にもう一度優しくて甘いキスをした。

目を丸くして驚くのは牧野の専売特許。
なのに、今日は俺がずっと目を丸くしっぱなし。
「あのさ・・・。あたし、西門さんのことが好きなんだよね。
ずっとすっとアピールしてたのに、
西門さんったらまったく気が付かないんだもん。
もう、待てなくってキスしちゃった!
・・・だからさ。
責任とってあたしの彼氏になって?」

やられた・・・。
俺のハートは撃ち抜かれっぱなし。
牧野にしてやられたり。
「・・・俺と付き合うの、覚悟しとけよ?」
「よしきた!エロ門だって受けてたつよ!」


二人でひとしきり笑いあって
自然と唇を重ねあった。
ああ。
こいつといると俺の心は温かくなる。
もう、サプライズなんてする必要ねぇよ。
これからもこうしてKissしていこうぜ。



                                                                   2016.12.3  writing






こんにちは~。
最近引きこもり気味の河杜です。

本来なら、2周年ということで、ド派手にSSでも書きたかったのですが、
多忙すぎまして・・・。
焼きまわしで申し訳ないのですが、UPさせていただきました。

「サプライズ キス」
このお話は総二郎のお誕生日を祝って書きました。
人生初?!
つくしちゃんからの不意打ちkissにフリーズしてしまう総二郎。
なんかかわいいですよね。
最近こういう話、書いてないな・・・。
頑張ろうっと。





♥こちらはyahoo!ブログで、姉妹サイトGreentea & Horsetail で掲載済みです。
 そのブログから、お話をお引っ越しさせることにしました。
 徐々に引き上げていく予定です。





CLAP
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