fc2ブログ
『夢かうつつか……愛し愛され~ちゃぷん…ちゃぷん~ 』 第三話
               2018ちゃぷん3話


←第二話 Back

明日咲く花  asuhana様 









「..…かどさん?」
ふわふわとした意識の中、つくしの声が微かに聞こえてきた。
それと同時に、温かな感触が俺の唇に触れる。
うーん、もう朝なのか?
それにしてはいつもと違う気がする…。

ぼんやりとした意識のまま重たい瞼を開けると、目の前につくしの顔がドーンとあった。
パッと目と目があった瞬間、これでもかと目を大きく見開き、顔を真っ赤にさせながら後退りする挙動不審なつくしの姿があった。

「に、に、に、に、西門さん!!
起き、起きてたのっ!!いつ?!!」
「…いつって…。ん?つくし、どうしたんだ、その格好。」
「ちょっと!!人の名前を呼び捨てないでよ!」
「呼び捨てんなって、いつもの通りだろ……って…。
ん?
あれ?…ここって…。
えっ!ちょっ…!…ここ、学校か!?!」
「ちょっと大丈夫なの?西門さん!
高校のラウンジだよ!ほら!」
「マジかよ……。」

どこかみたことのある懐かしい景色が目に飛び込んできたとおもったら、英徳学園の高等部の、あのラウンジだった。布団の中でつくしを抱きしめながら寝ていたのはずの俺は、なぜか高等部のラウンジにあるソファーに座っていたことになる。
頭が混乱してしまって、わけがわからない。目の前に制服姿のつくしが立っていて、思い切り俺をみて顔をしかめていた。

「もう、どうしたの?
西門さんらしくないよ?
珍しく一人でラウンジにいるなと思ってさ。
しかも、こんなところでうたた寝なんて…。」
「おう..…。」

…どうなってんだよ。これ…。
…自宅で寝ていたと思っていたら、なんで高校に戻ってるんだよ?
タイムリープってやつか?!
はあ…。
なんか、どっちが夢でどっちが現実なのかわからなくなりそうだ…。
…って、いうか、高校に戻ったってことは…
…まさか司と付き合っている頃にまでさか戻ったってことか?!

「ねえ、本当に大丈夫?
なんかいつもの西門さんじゃないみたいだよ。」
「つくし…あ、いや、牧野。今年…って、20◯◯年だっけ?」
「…ねえ、マジで西門さん大丈夫?20××年だよ!」
「…ってことは、司と…。」
「ん?道明寺がどうかしたの?」
「いや、ほら、牧野は司と恋人同士なはずだから、…その…。」
「え?なんで私があんなオタンコナスと恋人同士なのよ?!
私は、別に好きな人が…っ。…やば…。」

つくしは慌てて自分の口をふさぐと、ぶつぶつ独りごとを始めた。
このぶつぶつ言う癖、高校時代のやつじゃねぇか?!
大人になって消えたはずの昔の癖を見て、自分は過去に戻っているという現実を叩きつけられた。

くそ…。
もう一度、やり直しすんのかよ?
司、類、あきらなんかに負けるわけねぇが、
当の本人のあの天然すぎる鈍感度合いが一番手強いんだよ!!
しかも、別に好きな男がいるって………。
…………ん?
今、他に…って言ったよな。
その対象が司じゃねぇなら、誰のことが好きだってんだ?

「つく…いや、牧野。
お前、今、誰か好きな男がいるっていいかけたよな?」
ぱっとつくしと目が合う。
すると湯気がでてくるんじゃないかってぐらい、真っ赤な顔が更に赤くなった。
「そ、そ、そんなの、いるわけないもん!」
「いや、確かにお前は言いかけた。」
「いな……って、言ってるじゃん……。
じゃあ、い…、いたらどうなのよ…!」
「いたら?そんなのありえねぇな。
その男じゃなくて、俺に惚れることになる。
って言うか、お前は俺の女になんの。」
「はああああああああっ?!?!
何言っちゃってんのよ?!?
惚れることになるって、なんなの!
なんで私が西門さんの、お、お、女になるのよ!!」
「だって、未来のつくしは俺に物凄く夢中だからな。
俺自身にも、俺とのキスも、俺とのエッチも。」

これ以上赤くなれるのかと言うぐらい、真っ赤になって口をパクパクさせて、もうちょっとしたら爆発しそうだ。ぷるぷるぷるとつくしの身体が震えた瞬間、俺はつくしにソファーへとドン!っと押し倒された。

「そうよ!私の好きな人はそうやって女の子の気持ちを弄んで、
からかうのが得意な人なの!異常にもててモテまくってさ!
なんなのよ、あの美女軍団!?
いつもどこから涌いてくんのよ!
どいつもこいつも美女でスタイル抜群!
モデルかっ!ハーフかっ!
何様ってやつよ!
こっちは純日本人なのよ!たちうちできないのよ!
なのに!
悔しいけど、いつの間に気になっていたの!
目で追っちゃうんだもん!自分でも信じられなかったもん!
だけど認めるしかないじゃん!!
好きなのよ!
もう好きで好きでたまらないの!
わかったか、西門総二郎!!!!!」

くわっと啖呵をきったつくしの唇が、俺の唇に押し当てられる。覆い被りながら、目をぎゅっとつむっている。その愛らしさと可愛さにくらくらしてしまいそうだ。つくしに唇を奪われながら、つくしは高校の頃から俺の事が好きだったんじゃねえかと感慨深くなってしまった。そして、初々しいキスにとうとう我慢ができなくなって、自分の体とつくしの体を入れ換えた。

「………へ?」
「形勢逆転。今度は俺がつくしにキス。」
「えっ?えっ?えっ……ふぅ…!」
こうなったら、もう歯止めなんて効かない。
噛み付くようなキスでつくしの口を強引に開かせ、咥内を蹂躙する。たどたどしいつくしの舌を吸い上げながら、白くて柔らかい頬を手で包む。真っ赤な顔のまま必死に俺の背中に手を廻すからつくしの姿は、美味そうという表現がぴったりだ。

やべ…。
止まんねぇ…。
さすがにラウンジでこれ以上はまじーな。

「場所…変えるぞ。」
呆けて力の抜けたつくしをお姫様抱っこして、ラウンジを出た。
「ヤダヤダヤダ!降ろしてよ!!
目立つっつーーーーの!!!!」

つくしが大声で喚いたからか、俺が女を抱き上げている姿が目立つのか、つくしを抱き上げながら廊下を歩く俺達を見て、女子生徒を中心に悲鳴があちらこちらで聞こえてきた。
早足に外に出ようとすると、「待ちやがれーーー!!!」という、聞きなれた3つの野太い声怒鳴り声が聞こえてきた。
鬼の形相をした幼なじみ三人が、ホコリをまきあげながらこちらに向かって追いかけてくるではないか。

.…チッ。
面倒なのにみつかったな…。
あいつら、牧野を奪いに来たな?
残念だな、俺が捕まるかよ!

お姫様抱っこをやめてつくしを背負い直して猛スピードで逃げると、なぜか目の前に校門ではなく、どこでもドアみたいな扉があった。
なんでこんなところに?と、迷っている暇はなかった。後ろから追いかけて来る奴らに捕まったら、たまったもんじゃない。
やたらめったら重い扉を開けると、暗くて底の見えない空間が漂っていた。
こんなところに入るのか?!
「…ええい!ままよ!!」

身を投げる様に扉の中に飛びこむと、ふわふわとして、ほわんとした感触に全身包込まれた。
意外なほどぬくぬくとして、ほんのり温かい。
だけど包み込まれたと同時に先ほどまでいたつくしが、いつの間にか消えてなくなってしまっていた。

つくし…、つくしはどこだ?!
辺りを見渡しても誰もいない。


こっちだよ…、こっちだよ…。


誰だ・・・。
その声はだれだ・・・。


こっちだよ…、こっちだよ…。


まるで人魚の歌声のような艶かしい女の声に、誘われ惑わされていく。どんどん体が言うことを聞かなくなって、手足が縺れはじめた。必死に立て直そうとすればするほど、眠気が襲う。
ゆっくりと、ゆっくりと、自然に瞼が重くなっていった・・・。


→第四話
Nex tup 12月3日 Am 3:00


Pas de Quatre  plumeria様








関連記事
スポンサーサイト



Comment 0

What's new?