第2章 砂[23] 
総二郎side


台風一過の後、これで終わりだと言わんばかりに
最後の夏の暑さとなっていた。

東京駅に着いたその時点で桜子に電話をしてみると
「実は・・・。」と申し訳なさそうに話し始めた。
「花沢さんと西門さんが戻ってくるという
連絡が入っていたので、東京につく寸前までは
私と一緒にいると仰っていたのですが、
急に大丈夫だからの一点張りとなりまして。
おひとりで過ごしたいと仰られてしまいますと、
さすがに私も引き止めにくくって・・・。なので、
おそらくアパートにいらっしゃるとは思うのですが・・・。」
俺と類がもう少しで戻ってくるから、
それまで一緒に過ごそうと提案した桜子の申し出を
牧野は断固として固辞したようだ。
それで仕方なしにアパートの前まで送っていたという。
送ってからそんなに時間がたってないとの事だったので、
急いで牧野のアパートに直行してみたけれど
もう既に牧野はいなかった。
もしかしたら荷物そのまま持って、どこか行ったのか?

桜子通じて優紀ちゃんにも手伝ってもらい、
牧野の行きそうなところを手当たり次第当たってみるが、
手掛かりが全く掴めなかった。
空港に着いた途端に牧野行方不明の連絡を受けた類は、
それこそ血相変えて花沢の情報網を使って探し始めた。
牧野の両親のところにもいない、
過去・現バイト先にもいない、
中学時代の友人宅にもいない。
さすがに夕暮れ近くになっても見つからないとなると、
気の強い桜子も弱気になり始めてしまった。

「私が・・・、私があの時強く引き止めておけば。
こんな事にならなかったのに・・・。
先輩に何かあったら、私・・・・・・。」
「そんなの私も同罪だよ、桜子さん!
大丈夫、つくしは変なこと考える子じゃないよ!
きっとごめんって戻ってくるから!」
「ねえ、牧野、帰りの中で何か言ってなかった?」
帰国したばかり類も、あちこち探し回ったせいか
疲労感が出始めている。
俺も大学・高校や、みんなで遊びに行ったところなどまで
連絡入れてみたが梨の礫だ。
「さっきからそれをずっと考えていたのですけど・・・。」
「私も・・・。この三日間、こんな事になる前に
色々話したんです。でも、つくし、私と桜子さんの聞き役で、
あまり自分のことは話していなかったんです。
唯一、つくしが楽しそうに話した事って言えば
山もいいけど海も良かったよとかぐらいで・・・。」

海?
あっ!!
もしかしたら・・・。
可能性はなくはない。
行ってみるか?
「総二郎?」
「類、もう一箇所だけ心当たりあるところがあった。
今から行ってみようと思う。
悪りぃ、その間ここを宜しくな。」
「・・・。わかった。こっちで見つけたら、連絡する。」
俺は急いで屋敷に戻って、バイクを走らせた。







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Comment 1

河杜 花

Re: タイトルなし

Gipサマ

つくしちゃん、お得意のプチ逃走です!
なぜ、そこを思いついたか無自覚鈍感娘は
絶対にわかってないと思う・・・(汗)
そしてわが部屋のヘタレ総ちゃんは・・。
こちらもたぶん・・・w

2016/10/10(Mon) 08:50

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