第3章 林檎[3]
つくしside


大学生活が始まると、道明寺の婚約を知った人々が
遠巻きながらも私に対して後ろ指を指すようになっていた。
そんな行為はF4と知り合った時からあったので
慣れっこといえば慣れっこなんだけど、
どこにいてもその噂ばかり。
ましては私の事をろくに知らない人達が
これまた面白可笑しくある事ない事噂するので、
大学にいても針のむしろ状態が続いていた。

最初こそラウンジに逃げ込んでいた。
けれど、もう道明寺の恋人でもなんでもない私が、
F4ラウンジに行くのはおかしいと
一部の女子学生から直に抗議されて以来、
これ以上F3に迷惑掛けてはいけないと
一切行くのをやめてしまった。
ランチの際も毎日F3の誰かが迎えに来ているけど、
講義が終わると同時に逃げるように避けている。

確かに何時迄も道明寺にフラれた私が、
F4のラウンジに入り浸ってはいけないよ・・・。
もう、距離を置いて行かないとね。


大学講義が再開してからは大学の図書館に
勉強の拠点を移し、夏休みのレポート作成を
パソコンでするようになった。
昔ながらの大きな図書館にはまるで個室のような
人を囲い込むような大きさの机がたくさんあり、
人の視線を気にしなくて集中できるので重宝していた。
こういうところの設備投資は、さすが英徳学園大学だ。
ただ、17:30で閉まるのがちょっと物足りないけれど・・・。

今、頑張っているのは夏休みのレポートの手直し。
そしてこの資料作成が終わったら、次はディスカッションの用意。
特待生の提出物は一般学生の二倍三倍もあるし、
暫くはバイトをしながら資料の作成の日々かな~。
そんなこと考えながらディスカッションのテーマ本を探し終えて
閉館ギリギリに図書館を出ると、
背の高い男の人にいきなり声を掛けられた。

「牧野さんだよね?」
誰だと思って見上げると、見たことのある爽やか笑顔の持主だった。
「え?あ、木下君?」
「久しぶり・・・。あの、飲み会以来だよね?元気だった?」
声掛けきたのはバイト先が同じで、
たまにシフトが重なる木下君だった。
そう言えば大学も英徳だと聞いていたなあ。
本当に英徳の学生さんだったんだ。
「そっちこそ久しぶり。バイト入ってる?
夏休みはほとんど重ならなかったね。」
私がそう言うと爽やかにニカッと笑った。
「実は親父がN.Y.で会社やっててさ。
その手伝いに残り二週間はそっちで過ごしていたんだ。」
N.Y.と聞くと一瞬ズキンとした。
まだあのニュースを思い出して動揺してしまう事はあるけれど、
海で思いっきり泣いたことを思い出すようにしている。
大丈夫・・・。
西門さんの言う通り、しっかり失恋したもの。

「そっか。えらいね、お父さんのお仕事手伝うなんて・・・。
じゃ、私、近所の図書館に行ってレポート作らなきゃいけないの。
じゃね。またバイトで重なるといいね。」
バイバイと手を振ってこの場を去ろうと
すれ違った瞬間に木下君とぶつかり、
勉強道具を地面にばら撒いてしまった。
慌てて掻き集めようとすると、
木下君も拾い集めるのを手伝ってくれた。
「ごめんね、拾ってくれて助かるよ。」
「こちらこそごめん。俺とぶつかったからだよね。
・・・ねえ、牧野さん。この後予定空いている?
よかったら夕飯どうかな?」
「えっ?でもレポートが・・・。」
「じゃあ、そのレポートも手伝うよ。いいでしょ?」
まあ、あとはレポートのまとめと誤字脱字の精査だし・・・。
「じゃあ、遅くならない程度なら。」
「やった!」
はにかみながらも軽くガッツポーズをした木下君はとてもいい人で、
行ったお店で食事をしながら、本当にレポートを手伝ってくれた。






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Comment 2

河杜 花

Re: タイトルなし

Gipサマ


お疲れ様でした~!
え?
本当???
直しておくわ~(あとでw)
ありがとうございます♪

ムシ、飛んできましたよ。
誰が退治するのか・・・。
どうなるでしょうか・・・。

2016/11/06(Sun) 15:17

Edit | Reply | 

河杜 花

Re: コレってただの虫?

huruwoサマ


そうなのw
途中、記憶が・・・。
ビール2本は危険よ~w

さて、怪しさたっぷりです。
だんな感じになるのかな?


2016/11/07(Mon) 01:00

Edit | Reply | 

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