FC2ブログ
第3章 林檎[4]
つくしside




木下君が手伝ってくれたおかげで
全てのレポートが無事にまとめあがった。
後は提出するのみ。
その開放感もあってか、食事の後に飲みに行こうとなった。
入ったお店は若いサラリーマンやOLたちに人気だそうで、
色々と店員さんにお酒を勧められたけれど、
飲み過ぎると周りに叱られてしまうので
お酒はあまり飲まないようにしていると話したら、
木下君に爆笑されてしまった。
「二人きりで飲んでいるからさ、俺って警戒されているかな?」
爽やかな微笑みの中に、いたずら坊主のような光が見える。
きっと面白半分で揶揄っているのだろう。
「あ、ううん。そういうわけではないよ?
私、あまりお酒強くないから飲まないようにしてるだけなの。」
「そっか~。てっきり俺といてもつまらないか、
もしかしたら嫌われているのかなと思った。」
おどけながらも頼んだ料理をつまみ、
木下君は飲んでいた中ジョッキをぐいっと空けた。

「ね、牧野さんって、好きな人いる?」
え?
好きな人?藪から棒に何を聞いてくるんだろう。
「その反応じゃあ多分気が付いてないと思うけど、
牧野さんって男連中に凄い人気あるんだよ。
だからみんな知りたがっているんだって。」
「へっ?ハハハ。またまたまた~。」
何面白い事言っているんだか。
う~んこの人、 きっと大きな勘違いしているよ。
「ハハハ!全く心あたりないって感じだね。
牧野さんがモテるって話、本当だよ。バイト先でも、大学でもね。
ずっと君がフリーになるのを首を長くして待っている奴らばかり。
・・・実は俺も、その1人なんだけどなぁ?」
あまりに思いもよらないようなびっくりする事ばかりを話すので、
もうすっかり頭がついていかない。
「俺、大学に入った時から牧野さんの事が気になっていたんだ。
だからバイト先もさ、牧野さんが働き始めたのを知って、
追いかけるように一緒に働き始めたぐらいなんだ。」
「えっ!」
飲んでいたお茶を丸ごと噴き出しそうになって、
慌てて片手で口を抑えてその場を凌いだ。
それなのに目の前の木下君は澄んだ目で、
私を見つめ返している。
しかも空いていたもう一つの片手を握しめられている・・・!
「いっ、いや~~。あ、ありがたいけど、何にも出てこないよ。
それにわたし、いまは失恋したばかりで恋愛どころじゃないし、
まだそんな余裕なんて・・・。
木下君にはもっと素敵な女の子がいる・・・。」
必死にその手を戻そうと試みるけれど、
話し終わる寸前だというのに更にギリっと強く手を握り返された。
「女の子って失恋を癒すには、新しい恋が特効薬だって言うよね?
俺、立候補してもいいかな?」
爽やかな見た目とは裏腹なやや強引な話の仕方に、
すっかり腰がひけてしまう。
「ハハハハハ・・・。り、立候補されても・・・。」
「それとももしかして・・・・。
既にあのF3って奴等の中に好きな男でもいるの?」
F3・・・。パッと三人の顔が同時に浮かぶ。
「ううん、まさか。みんな友達だよ。
でも、私さっきも言ったけど失恋したばかりで、
暫くは恋愛は考えられないんだ。ごめんなさい。」
「そっか。じゃあ、お友達からならはじめてもいいかな?
ゆっくりでいいから俺を知ってもらいたいしさ。」
「・・・・うん。そういうことなら。」

じゃあ、友達の証しにお互い「さん」づけは止めようとか、
連絡先交換しようとかそれなりに楽しい時間を過ごす事が出来た。
高校入学以来、F4以外の男性で連絡先を交換しあったのは初めて。
やっと普通の男友達が出来たんだなと思ったんだ。





ランキングに参加しました♪


↑↓もしよろしければポチしてください♪

ブログランキング・にほんブログ村へ
関連記事
スポンサーサイト

Comment 2

河杜 花

Re: いや、違うと思うよ?w

haruwo サマ


我が家のつくしちゃんは鈍感を通り過ぎて
能天気みたいなのよ~。
うん、説教してw

この木下君、仮の姿はいい人そうだけどね~。
どうなんでしょう?!

2016/11/09(Wed) 17:57

Edit | Reply | 

河杜 花

Re: タイトルなし

Gip サマ


ね~。
もうチョロイというか、不用心というか・・・。

あ、その路線考えました~!てへ☆
だって総ちゃんはヘタレ全開なんですもの。
そろそろ褌を締めなおしてほしいっす・・・って私のせいだったw
大事な場面ではきっと活躍するはずw

2016/11/10(Thu) 12:48

Edit | Reply | 

What's new?